「ただいま~」「お帰りなさいませ」
雪さんがにこやかに微笑みながら出迎えてくれる
「雪さん…」「はい…何ですか?」「今日の夕食は何なの?」「カレーですよ」
それを聞いて家から出ようとするが、雪さんに止められる
「ご安心下さい。本日は、水月さんのではありませんから」「え!?水月のじゃないの?」「はい…」
それを聞いてほっと肩を撫で下ろす
「水月じゃないとしたら、誰が作ったんだ?」「それは…」「私だよ!」
みなもが元気良く飛び跳ねる
「そうかー。みなもが作ったのかー」「うん!頑張ったんだよ!」「そうか…」
みなもの頭を撫でてやる。みなもは嬉しそうな顔をする
みなもが作ったんなら安心だな。みなもも、俺と同じで水月のカレーは食べれない側の奴だからな
「はい…」「うわ~。美味そうだなー」「えへへへ…」
一口食べてみる。口の中に普通のカレーが広がる
あ~やっぱり、カレーはこうじゃなくっちゃな~
「美味しい…」「あ~とっても。これだと、水月のカレーなんて食べれたもんじゃないよー」
「ふーん。そうなんだー」「え…」
ゆっくりと声のした方を向くと、水月がにっこりと笑ってたっていた
「私のカレーは不味くて食べれないんだって?」「いや…それは…」
水月は俺の両頬を抓りながら引っ張る
「そんなことを言うのは…この口かしらー?」「ひたいです…ひつきさん、ふるして…」
水月は最後にいっぱいまで引っ張って手を離す
「もう、絶対に作ってあげないから!」
小声で『その方が…助かるけど…』と言う。それを聞いて、水月はこっちを鬼の形相で振り返る
再び、水月に両頬を引っ張られる
「そんなことを言う口はこれか~!えー!」「ふぎゃー!」
風呂につかりながら考え事をする
やっぱり、少し言い過ぎたかもな…。水月だって一生懸命に作ってるんだからなー
脱衣所の方から物音がする
ん…永遠か?
『居る…』
この声は…まさか!
お湯に半分だけ顔をつける
ブクブク…
『居るんでしょ?答えてよ…』
何しに来たんだ?
『開けるわよ…』
ガラガラ…
「居るんじゃない!何で返事してくれないのよ~?」「何か用事か?」「う、うん…」
水月は照れくさそうな顔をする。良く見てみると、水月は裸だったので、慌てて後ろを向く
「な、何で…裸なんだよ…」「え!?お風呂に入るんだから、あたりまえでしょ?それに、いつも見てるじゃない…」
「あ、それもそうか…ってちがーう!」
そう叫びながら振り返ると、水月の胸に顔が挟まる
「何を…するのよー!」
バコン!
「わざとじゃないのに~」
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