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異世界 -第二章-
「う~ん、ここは何処だ?」「あっ気が付きましたね」

声がしたほうに顔を向ける。そこには、猫の耳の女性が居た

「俺どうしたんだ?」「森で倒れてたんですよ~」「森で?」

「あそこで何してたんですか?」「俺にもサッパリ判らない…」「そうなんですか~」

その子は、残念そうな顔をする。

「もしかして、君一人でここまで運んできった…って事はないよね~?」「私一人ですよ!」

「えっ!マジで!」「はい!こう見えても力はあるんです!」

その子は大きく頷き、自信満々に言う。

「そうなんだ~」「あ! 何か食べるもの持ってきますから、少し待ててください」

「悪いな…」「気にしないでください」

そう言って部屋から出ていった

ここは何処だ?

窓から外を見る。外を歩いてる人は、みんな動物の耳がついている。

「お待たせしました!」「悪いな…俺なんかのために迷惑かけて」

「いいえ~!困ったときはお互い様ですよ」

その子はニッコリと笑い、持ってきた食べ物を俺の前に置く。

「そうだ!まだ自己紹介してなかったな、俺は矢島翔、翔でいいから」

「私はキャサリンです」「キャサリンか~いい名前だな~」

「ありがとうございます」

キャサリンは嬉しそうに笑う。

「翔さんは、どちらから来れたんですか?」「俺か? 俺は山口からだ」

「やま…ぐち…? 何処の国ですか?」「日本だけど…」「に…ほん…?」

「もしかして、本当にわからないのか?」「はい、聞いたことありません」

「なあ、何処なんだ?」「ここは~、ミスティア大陸のシルベスタという町ですよ」

おいおい、何処だよ~。まったく聞いたことねーぞ!

「どうかしたんですか?」「今言った事に、嘘偽りはないな!」「はい、ありませんよ」

俺はまったく違う世界に来たってことか~

「あの~、どうかなされたんですか」「ちょっと待ってくれ、俺なりに整理してみるから」

「は~」

キャサリンはキョトン俺を見る。

俺は何でここに来たんだ? まずは…そこだ! 確か光の玉があって、それに触ったら中に吸い込まれたまでは覚えてるが…そこから先がさっぱりだ

「あの~?」「あ、ごめん…何?」

「服を着替え方がいいと思うんですが?」「えっ?」

服を見てみると確かにボロボロだった

「そうだな…」「はい、これに着替えてください」

キャサリンは服を俺に差し出す。

「ありがとう」

服を受け取って着替る。

「どうかな~?」「とてもお似合いですよ!」「でも、この服どうしたんだ?」

「家にあったので…」「いいのか、勝手に持ってきて?」

「はい!それは、兄が着てたものですから」「へ~、お兄さんが居るんだ~」

「正確には居た…ですけど…」

キャサリンは暗い顔をする。

「すまない、変なこと聞いて」「いいえ~気にしないでください」

「そうだ! 下で何か飲みながら、翔さんのお国の話聞かせてください!」

「ああ、俺は別にかまわないぞ」

下に降りる。

「そこに座っててください」

言われたところに座る。

「どうぞ」「ありがとう」「翔さんのお国ってどんな所だったんですか?」

「俺の居たところか~、空気は汚いし人は多いしやってられない環境だったぜ~」

「そうなんですか?」「ここはどんなところなんだ?」

「ここは見てのとおり、小さな田舎町です」「それは判るが…その耳はどうしたんだ?」

「これですか?」

キャサリンは自分の耳を指差す。

「これは生まれつきです! 翔さんのお国ではついてなかったんですか?」

「ああ、現に俺にもないだろ~」「そう言われてみればないですね~」「だろ」

「そうか~! 翔さんは別の世界から来たんですね!」「そうなるな…」

「異世界の人ですか~。なるほど…」

じ~!

「そんなにじろじろ見るなよ~」「すいません、つい珍しくて~」

キャサリンは苦笑いを浮かべる。

「そうだな、そう簡単に異世界の人間は見れないからな」「私は仕事にって行って来ますね」

「仕事?」「はい!畑仕事です」

「よし!俺も手伝ってやるよ~、助けてもらったお礼もかねてな」「本当ですか!」

「ああ。助けてもらった恩もあるしな」「お願いします」

二人で家を出る。町の中は見た事もない物であふれ返っていた。

「あんまり余所見してると、はぐれますよ~」

かなり遠くから、キャサリンが叫ぶ。

「判ってる」

ん? 何だこれ? 

石の柱を下から上に見てゆく。

石の時計台かねぇ

「も~、何してるんですか~」

キャサリンは怒った顔で言う。

「珍しいものがあるから…ついな…」「え? 翔さんのところにはな無かったんですか?」

「そんなものは無い!」「そうなんですか~、あ~! 遅れちゃいます~!」

キャサリンは俺の腕をつかんで走り出す。

「うわ~!」

キャサリンの足の走るスピードが速く、体が浮く・

確かに力はあるみたいだな~。しかも、かなり足も速いのか~。これはらくちんだな~

しばらく走って、キャサリンが急に止まる。その反動で壁まで吹っ飛ばされ、壁に減り込む。

「みぎゃ…」「大丈夫ですか?」

キャサリンが側にかけより、心配そうに聞く。

「何とか…」「キャサリン誰だいそいつは?」

突然、誰かの声が聞こえてくる。

「あっ!シュルさん、この人はですね~」

「キャサリン…もっと男を選んだほうがいいわよ。何処の馬の骨とも判らない男よりね…」

シュルは呆れ顔でそう言う。キャサリンは顔を赤くしながら、それを聞く。

「翔さんは立派な方です!」「ほー! 翔と言うのか」「始めまして、矢島翔です」

「私は、シュルよろしく。あんたも、ここで働くのかい?」「手伝いだけすよ~」

苦笑いを浮かべながら頭を掻く。

「そうかい、本気で仕事してみる気はないかい?」「仕事って、どんなのですか?」

「あそこの畑の収穫とるだけだ!」

指された先の畑を見てみて絶句する。

「ちょうど一人やめて困っていたんだ。どうだいやってみないか? ちゃんと給料は払うぞ!」

どうせ、することも無いんだしやってもいいか~。

「やります!」「決まりだな、ならここにサインして…」「はい」

やっぱり、要項とか読んだほうがいいよな・

要項を読もうとしたが、そんなものは何処にも無かった

「あの~…」「何だ?」「要項が、何処にも無いんですけど…」「そんな物は、ない!」

ウソ!

「サインしないのか?」「します! します!」

仕方がないサインするか~。

「これでいいですね~?」「上出来だ! 早速、キャサリンと一緒にやってくれ」

「そのキャサリンは何処に?」

畑を眺めるが、キャサリンの姿を見つけることは出来なかった。

「ほら、あそこだ!」

言われた方を見てみると、すごい勢いで働いているキャサリンが居た

す、すげ~! 俺もああなるのかな~

「ほら、ぼさっとしないで、ささっと行け~!」「判りましたよ~」

キャサリンの所に行く。

「キャサリン」「あっ! 翔さん」

キャサリンは手を止めて、笑顔で手をふる。

「俺もここで働くことになったから、よろしくな」「はい! 一緒にがんばりましょう!」

「俺は何をしたらいいんだ?」「そうですね~」「

キャサリンは、ざーと畑を見渡す。

それをあそこの納屋に運んどいてください!」「なやって何処にあるんだよ~?」

「あるじゃないですか~! ここから30㌔先に!」「なに~!30㌔だと~!」

「はい、頑張ってください」

キャサリンはニッコリと微笑む。

やっとの思いで、言われた物を納屋に運ん出戻ってくると、また量が増えていた

「なんか量が増えてないか?」「それはそうですよ~、収穫したものですから」

「さようですか…」

それを聞いて、ガックシ肩を落とす。

は~、先が思いやられる

「早くやって下さいね~」「判ってるよ~!」

意地でも終われせてやる~!

数十回往復して、やっと終わる。

「だ~、疲れた~」「お疲れさん、初めてにしてはなかなかだったぞ」「どうも」

「ほれ、これでも飲め」

シュルさんはコップを差し出す。

「あっ、どうも」

コップを受け取り、それを飲む。

「キャサリンはどうしてますか?」「ほれ、あそこだ!」

シュルが指差した先で、キャサリンはめまぐるしく働いていた。

「まだやってるんですね」「待ったく…倒れなければいいが…」

「ちょっと止めてきますね」「がんばてこい、死ぬかもしれんがな…」

「ちょっと待ってください!死ぬって何ですか~」「軽い冗談だ」

「なら言わないで下さい!」

そう言ってキャサリンの所に向う。

「キャサリン、そろそろ休憩にしないか~?」「もう少しやってから~」

「もう十分だろう」「まだ、半分も終わってないしー!」

半分ね~、どんだけあるんだここの畑は

「いいから~、休もうぜ!」「ここまでやったら、休むね」「先に行ってるから」

「ほ~い!」

戻る途中でキャサリンが抱きついてきた

「うわ~」「終わったよ~」「それはよかったな~」「うん! 今日はもうすること無くなったよ」

「そうなのか?」「そうなのです!」「それより、離れてくれ…」「あ、ごめんね…」

キャサリンは慌てて離れる。

「することが無いんだったら、これからどうするんだ?」「う~ん、買い物くらいしかないよ」

「じゃ~行くか! 買い物」「うん♪」

「まず、シュルさんに報告しとかないとな」「もうしてきたよ」

はや!

「だから行こ~」

キャサリンはそう言って、グイグイと引っ張る。

「判ったから、引っ張るな~」

二人で、店が建ち並ぶ通りに行った

「ここが市場だよ」「へ~これがー」「すごいでしょ~!」

「や~、キャサちゃん今日は彼氏連れかい?」「ちがいますよ~」

キャサリンは真っ赤な顔で否定をする。

「隠さなくてもいいって」「本当に何で無いんですって~」

「そうだ! 今日は、これが入ってるぞ」「どれですか?」「イモリだ~!」

イモリ…もしかして食べるのか

「う~ん、今日は遠慮しときます」

店の人は残念そうな顔をする。そして、何かを思い出しようにゴソゴソと、何か探し始める。

「ならこれはどうだい? またたびだ~」

まさか反応しないよな~

「ください!」

キャサリンは目を輝かせる。

反応してるし…

「毎度どうも」「ルンルン♪」

キャサリンは嬉しそうに飛び跳ねる。

「そんなに嬉しいのか?」「うん♪ この辺だと、めったに手に入らないんだよ」

「そうなのかー」「ね~! ね~!」「…ん?」「あの服可愛いよね~「どれだ~?」

「あれだよ~、あれ!」

指差した先を見てみると、セーターと短パンのセットがあった

「あれか?」「うん♪」「欲しいのか?」「でもお金無いからいい」「そうか…」

でもこの世界の通貨ってどんなのだ?

「な~、この辺の通貨ってどんなのだ?」「これだよ」

キャサリンが見せてくれた、通貨を見て驚く。

これって…100円玉、一緒じゃんか~

「もしかしてこんなのもあるのか?」

一万円を差し出す。

「うん、そうだよ!」「これだと、あれ買えるのか?」

「もう、何じゃ着も!」

この世界では、どんだけの価値がこの一万円に

「よし俺が何でも買ってやら~!」「本当に!」

キャサリンは目を輝かせる。

「お礼だ、仕事は手伝えなかったからな」

そう言って、店の中に入る。

「さて、どれにするんだ?」「どれがいいんですかね~?」「そうなだな~これなんかどうだ?」

「う~ん、今ひとつですね」「ならこっち」

「う~ん…」「ダメか~?」

「もう少し…動きやすいのが…」

「ならこれだ~!」

ポロシャツと短パンをのセットを差し出す

「それいいですね!」「だろ~、買いだな」「はい!あとは~、翔さんのですね」

「俺のも選ぶのか?」「だって~着替えも必要でしょ~」「それもそうだな」

自分で選んで買う。

「次は、何処に行くんだ?」

「良い所です」「良い所?」「はい!」

何処だ?

「翔さんって、元の世界に戻りたいんですか?」

「ま~、戻れるんならそれにこしたことは無いが…」「やっぱりそうですよね!」

「もしかして、そのやり方を知ってる人の所に行くのか?」

「知ってるかどうかは、行ってみないと判りませんが…」「急いで行こうぜ!」

そう言って走りだすが、すぐに服をつかまれる。見事に地面とキスをする。

「みぎゃ…」「何処に行くの?」「何処って決まってるじゃないか~」

「場所わかるの?」「あっ!何処にあるの?」「すぐそこだよ」「早速行ってみよー!」

「今は留守だよ!」「何で~!」「夜にならないと起きないの」「なんだかな~」

「とりあえず帰ろう」「そうだな」


「な~」「何?」「ここに一人で住んでるのか?」「うん、そうだよ」「何かと大変だろう」

「慣れてしまえばそれが普通になるから」「そんなもんかね~」

「でも今は、一人じゃないから…」「え?」「だって~、翔さんが居るもん!」

キャサリンはそう言って、赤い顔でニッコリと微笑む

「それはそうだな、ところで日没までどれくらいあるんだ?」「もう少しだよ」「え? もう少し?」

「うん! あと5秒くらい」「ご、5秒!?」

「ほらなった!」

外を見てみると確かに夜になっていた。

どうなってんだこの世界は?

「早速行きましょ~!」「そうだな…」

家を出てさっきの所に行く

さすがに、BARはないみたいだな~

「ここだよ」「これはまた…怪しげな…」「そうかな~」

キャサリンは首を傾げる。

「そうだろ~、何で家の入り口に動物の髑髏なんか置いてあるんだよ」「おかしいかな~?」

「いいや、中に入ろう」

中に入ろうとした時に、キャサリンに止めらる。

「なんで止めるんだよ?」「あのね、ここの人変わり者だから注意してね」

「変わり者?」「とにかく、私が先に入るから」「ああ…」

そんなに危ないのか?

キャサリンはそっとドアを開けて中を見渡していた

「大丈夫みたい」「普通そうだろ…」

中に入る

「何にも無いじゃないか~」

その時足で何かの糸を切る。

「…ん?」

ガン!

頭の上に盥が振って来た

「あっいた~!」「大丈夫ですか?」「ほっほっほ…まだ若いの~」

奥からおばあさんが現れる。

「誰?」「この人が、さっき話してたメディーさんだよ」「さて、用事は何だね?」

「その前に、このトラップは何ですか?」「これかい?」

そう言いながら、一本のロープを切る

ザ~!

今度は、頭から水がかぶる

「何するんでか~!」「ちょっとした、お茶目じゃよ」「あ~あ~、びしょびしょだよー」

「乾かすかい?」

いやな予感、こんどは燃やされそうな気がしたので、即座に断る。

「いえ! 結構です」「そうかい」「私、着替えとってくるね」

そう言ってキャサリンは出て行く

「さて、本題に入ろうかね」「そうですね…」「何が聞きたいんだね」

「俺を元の世界に戻してくれ!」「ほほー! これはまた、すごいことを言いだすねー」

「無理なんですか?」「出来ないことないよ」「本当ですか!」

「ああ、生まれてこのかた嘘を言ったことは一度も無いからねー」

「どおすれば、良いんですか?」「そうあせらんでもよかろ~」

メディーはやれやれといった顔をする。

「は~」「まずは、その服を着替えてからじゃ」

それもそうか~

「お待たせ~!」

キャサリンが着替えを持って帰くる。着替えを受け取って物陰で着替える。

「服も着替えたし、早速やったもらおうかー」「こっちに来な」

そう言って、奥に消えてゆく。その後について、奥に入ってゆく。

「ほれ、そこに立ちなさい」「ここにですか?」

魔方陣が書れている所に立つ。

「本当に戻れるんでか?」「それは、お前さん次第だ」「俺…次第?」

「お前さんがどれだけ帰りたいと思うかによって、成功するかどうかが決まるのさ」

「そうなんですか~」「早速はじめるよ」「お願いします!」

おばあさんは何や呪文みたいなものをとえ始めた

しばらくすると魔方陣が光りだして、そのあとに光に包まれた

第三章に続く


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